ダフト・パンク(Daft Punk)おすすめ名盤『Discovery』レビュー|名曲「One More Time」収録!テクノ/ハウス初心者の入門に最適なクラブミュージック名盤

ダフト・パンク(Daft Punk)おすすめ名盤『Discovery』レビュー|名曲「One More Time」収録!テクノ/ハウス初心者の入門に最適なクラブミュージック名盤 Techno / House

Daft Punkの『Discovery』は、2001年3月13日にVirgin Recordsからリリースされた2枚目のスタジオアルバムだ。

プロデュースはThomas BangalterとGuy-Manuel de Homem-Christoの二人が自ら担当した。全14曲、総収録時間約63分。Billboard 200で2位、全英アルバムチャートで2位を記録し、フランスではプラチナム認定を受けました。

正直に言うと、このアルバムで私はクラブミュージックにハマった。それまでロックばかり聴いていた人間が、「One More Time」のイントロを聴いた瞬間に何かが変わった。機械の音なのに、なぜこんなに温かいのだろうという疑問が、今も頭から離れない。

制作背景

前作『Homework』(1997年)がシカゴハウスの影響を色濃く反映した作品だったとすると、このアルバムはその真逆を目指した。

Bangalterはこう語っています。「Homeworkは『エレクトロニック・ミュージックはクールだ』とロックキッズに言う作品だった。Discoveryはその逆で、エレクトロニックキッズに『ロックはクールだぞ、好きになっていいんだ』と言う作品だった」と。

制作の軸にあったのが「子供の耳」という概念だ。Bangalterはこう繰り返した。「子供のとき、音楽を分析しない。ただ好きだから好きなんだ」と。このアルバムはその感覚を取り戻すために作られた。

二人がパリのスタジオに持ち込んだのは、70年代のディスコ・レコード、80年代のシンセポップ、ファンクとソウルの山だった。

サンプリングについてBangalterはこう語っています。「リスナーがディスコやファンクのレコードから引用したと思っている音の半分は、実は自分たちで演奏したものだ」と。

「フェイクサンプル」——本物らしく聴こえる偽物を作る。その逆転の発想がこのアルバムの温かみの正体でもある。

「One More Time」にはEddie Johnsの1979年のディスコ曲「More Spell on You」が使われているが、Johns本人は長年行方不明で、2021年時点で6〜7桁のロイヤリティが未払いのまま積み上がっていた。世界中で流れ続けた曲の、誰も受け取れないロイヤリティ。

後続アーティストへの影響

最も直接的な影響を受けたのはフランスのエレクトロシーンだ。Justice、Kavinsky、SebastiAn、Mr. OizoらいわゆるEd Banger Recordsの面々は、Discoveryが打ち立てた「温かみのある電子音楽」という方法論を継承した。Justiceの2007年作『†(クロス)』はその直接の後継として批評家から扱われた。

英語圏への影響も広範だ。Kanye Westは「Harder, Better, Faster, Stronger」をサンプリングして2007年のシングル「Stronger」を制作し、Daft Punkを2008年のGrammyパフォーマンスにゲスト出演させた。

The Weekndは複数のインタビューでDaft Punkへの影響を公言しており、PharrellがN.E.R.D.以降の作品で追求した「ライブ感のある電子音楽」という方向性も、Discoveryが示した地図の上にあります。

Apple Musicはこのアルバムを「The BeatlesのSgt. Pepper’sやThe Beach BoysのPet Soundsのように、ポップをアートとして真剣に扱いながら、古いスタイルを新鮮な形で再文脈化した」と評した。その比較が大げさかどうかはともかく、2001年以降の電子音楽の地図を書き換えた1枚であることは確かだ。

楽曲解説

One More Time

Romanthonyのボーカルを乗せたこの曲は、1998年の完成後にシェルフに置かれ、2000年になってようやくシングルとしてリリースされた。

このアルバムが誕生する前から存在していた曲が、アルバムの顔になった。ボコーダーで変形されたRomanthonyの声が、機械なのに人間の感情を増幅して届ける。私がクラブミュージックの扉を開けた曲でもある。

Digital Love

George Dukeの「I Love You More」をサンプリングしたこの曲は、アルバムで最も「人間くさい」1曲だ。ロボットが恋をしている。

その可笑しさと切なさが同居するギターソロが、ずっと好きだ。フレンチハウスの四つ打ちの上に、70年代のディスコ・ファンクの旋律が乗る——このアルバムが「踊れるノスタルジア」と呼ばれる理由がこの曲に凝縮されています。

Harder, Better, Faster, Stronger

Edwin Birdsongの「Cola Bottle Baby」を下敷きにしたループが、どこまでも高みへと連れていく。後にKanye Westがサンプリングしたことで知られるが、反復の気持ちよさはむしろ原曲の方が上だと思っています。

「より難しく、より良く、より速く、より強く」というフレーズの機械的な反復が、逆説的に身体を動かし続けさせる。

まとめ

このアルバムが「クラブミュージック」と呼ばれることに、少し違和感がある。踊るためだけの音楽にしては、あまりにも感情が詰まりすぎている。

「子供のとき、音楽を分析しない。ただ好きだから好きなんだ」というBangalterの言葉が、このアルバムのすべてを説明している気がする。

Daft Punkは2021年に解散した。でもこのアルバムを聴くたびに、「One More Time」のイントロが鳴り出す瞬間、何かが始まるような気がする。それがこのアルバムの、どうにもならない力だと思う。

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